株式会社Legoliss(レゴリス):広告代理店が抱える運用型広告の予実管理・配信開始管理の課題を解決

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株式会社Legolissの重原洋祐・取締役と酒井克明・代表取締役  

データを軸にしたマーケティングの総合支援を手掛けているLegoliss(レゴリス)。DSPを利用したトレーディング業務を行なっていた広告代理店の課題解決のためにDatorama導入を進めた。

この代理店は様々な顧客から運用型広告を請け負っており、その運用において、配信予定日に確実に開始されているか、案件がKPI通りに進捗しているかなど、運用に関わる全般の課題を抱えていた。また、マネジーメント層が案件の配信開始の確認や、売上の予実管理を行えていないという課題もあった。

そこで、Datoramaを導入し、案件管理用ダッシュボード作成とアクションセンターを通じたアラート機能で、2つの課題解決を目指した。そのお話をLegolissの酒井克明・代表取締役、重原洋祐・取締役に伺った。

広告配信の確認が大きな課題

Legolissにコンサルティング依頼をした広告代理店が抱えていた導入前の課題とはなんだったのだろうか?「一番の課題は、実際の運用者以外の方々、経営層・営業が予実の進捗管理をしたい、案件管理をダッシュボードで見たいということだった。そこを改善する術がないのか?という相談を受けたのが最初でした」とLegolissの酒井克明・代表取締役。

「その理由は、受注した広告が期日通りに配信開始しているのか確認するためでした。広告配信レポートが、開始予定日の翌日にしか手元に届かないため、未配信でも当日に把握する術がなく、未配信という事故が発生していました。かといって、営業がひとつひとつの案件を確認するにはあまりに手間がかかる。その部分を特に改善・解決するために、何かいい手はないのか?媒体データを全て統合して、俯瞰できるBIツールはないのかと相談されました。必要だったのは運用者レベルのダッシュボードより、もう少し上のレベルが状況確認できるものでした」と重原洋祐・取締役。

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そこで、ツールの検討を始めたが「Tableauは分析よりすぎて、クライアントの要望には応えられないと。他のツールも候補に上がりましたが、Datoramaの方が画面の構築の自由度・可視化自由度がより高く、導入を薦めました」と重原氏。一方のクライアント側も「広告の未配信問題が、長年の課題で、事故が多発していた。早急に解決しなければという課題感が大きく、提案開始後、わずか1ヶ月で導入に合意されました」と酒井氏。

そこで早速、Datorama導入を進めようとしたところ、思わぬ壁にぶつかった。

導入前にまず業務フロー改善を

「いざ導入に着手したところ、Datoramaでダッシュボードを構築する前に、クライアント企業さんの業務改善を進める必要があったんです」と酒井氏は振り返る。

今回の目標は「マネージメント層や営業など運用者以外に向けた広告案件管理ダッシュボードを実現し、広告未配信を防止」することだ。そのためには、運用型広告の売上データやクッリク数などの実績データをひとつにまとめる必要がある。

クライアントの代理店は、大きく2つのデータを持っていた。ひとつは、運用型広告系メディアの実績データ(インプレッション・クリック数など)、もう一つは案件管理用に使っているBacklogというシステムだ。Backlogには各広告案件のKPI(予算、案件単位のCPC, CPA)が登録されていた。

 経営層や営業がみるダッシュボードを作成するには、この2つのデータを統合する必要があった。メディアの実績データにはKPIがセットされていないので、この両者のデータを紐づけて、売上の数字を見て、実際に運用開始されているのか判断していこうと考えた。紐付けのキーとなるものは、両データで共通のものが最適だ。

 しかし、この2つのデータの紐づけ作業でLegolissは大きな壁にぶつかった。

「両データのキャンペーン名称をキーにして、データを紐づけしようと思ったところ、名称の命名ルールがバラバラだったんです」と重原氏。つまり、同じキャンペーンでも、実績データとBacklogでキャンペーン名が違うのだ。これでは紐づけができない。さらに、「媒体ごとにキャンペーン名の字数制限も異なる」ことに気づいた重原氏は、「命名ルールを標準化する、という業務フローの改善から着手」することになった。

Datorama導入前に、まず広告運用の業務改善からコンサルティングすることとなったのだ。そこで、運用者用のスキーム作りが始まった。

当初は「大きな抵抗があり、かなり苦労はありました」と酒井氏。だが、キャンペーン名称を統一することのメリットが見えてくると業務改善は進み、同時にDatoramaへのデータ統合はスムーズに進み始めた。

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「名称統一で案件管理が以前より簡単になったことなど、様々なメリットが生じ、統一化は大きな資産になったと思います」と重原氏。

 また導入中にはデータ取込みについても困難があった。

Yahoo!DSPのデータなどの媒体データは、一度レポートをダウンロードし、Datoramaにアップする必要があり、そこの運用改善も必要となった。ひとつひとつアップしているのでは、工数がかかりすぎるため、ダウンロードしたデータをSFTPにアップし、そこからひとまとめで、Datorama TotalConnect経由で取り込むためのルール化が必要だった。「ただ、Datoramaだとデータマッピング不要でアップロードできるので、そこは本当に助かります。今後はさらに自動化を進める予定です」と酒井氏。

一方で、Datorama側の問題もあった。「最初2バイト文字が未対応だったのと、SFTPのキーファイルにも未対応で、改善を求めたところ、すぐに対応してもらえました。経験上、グローバルベンダーは、ローカルな改善には『できません』と言われることが多かったので、これは助かりました。ローカルニーズにも即座に対応してくれたので、ダッシュボード構築がスムーズに進みました」と話す重原氏。

クライアントの代理店、Datoramaの双方の改善が進む中、Datoramaへのデータ統合を行い、待望のマネージメント層向けダッシュボードが完成。運用型広告の案件管理・予実管理・配信管理の一元化が可能となった。

アクションセンターで広告未配信を防止

クライアントの代理店が抱えていた大きな課題、広告の配信問題はどう解決したのだろうか?多数の運用型広告の運用開始を確実に実行するために、案件管理できるBIツールはないかというのが、当初の依頼だった。

その広告未配信の課題は、Datoramaのアクションセンターを使って解決した。アクションセンターは、あらかじめゴールや指標を設定し、そのゴールに未達や異常値を検知した場合、自動的にメールやSlackなどのチャットツールにアラートが配信される機能だ。

今回の場合は、広告運用開始日に予算が消化されていなければ、アラートが飛ぶ仕組みになっている。Datorama上にメディアの実績データと予算などKPIデータが統合された結果、営業が毎日、ひとつひとつの媒体管理画面を見て、確認して、という工数が全て自動化されたのだ。これまで確認に取られていた時間を、広告主への施策提案作りなど戦略的価値の高い業務へ使うことができる。長年の課題が改善される中、クライアント企業の働き方に変化は見られるのだろうか?

オンライン上で広告主への報告が全て完結する、という大きな気づき

クライアント企業は、広告運用開始の確認が自動化されたことで、より広告配信の最適化や広告主への施策提案などに、今まで以上に時間を当てることができるようになったのだろうか?「これはこれからの課題です。まず、見たい項目がダッシュボード化され、見られるようになったので、今度は運用者用、さらには広告主用のダッシュボード作成を検討しています」と酒井氏。

特に広告主用に関しては、営業の気づきが大きいという。従来、広告主用レポート作成は、媒体ごとにレポートをダウンロードし、それを自分たちでまとめて、印刷してと1日はゆうにかかる作業だった。

それが「Datoramaで、ステークホルダー全員が同じ画面を共有できるので、PDCAのスピードが格段に上がり、営業の引き出しが増えています」と重原氏は指摘。「特にレポート作成がオンライン上で完結できる、工数削減できる!という気づきが大きい」と強調する。なぜなら、「誰もそれが可能とは想像すらしていなかった」と同氏。

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また運用者側もDatorama上で一括管理できるので、より運用面での幅が広がっているという。Legolissとしては、クライアントの代理店側でDatoramaのダッシュボード構築ができるようにすることも次の目標だという。

「今回、クライアントさんがいきなり運用するのは難しいと見ました。一方でLegolissは他のクライアントさんと共にBI構築をするなど経験・知見がありました。そのため、コンサルタントとして初期構築を担い、徐々にクライアントさん内に運用者を育てようと考えました」と酒井氏。

いつまでもLegolissで運用するわけではない、それを念頭に今回の導入時もデータの統合方法など、運用者になるべく負荷のかからないシンプルな標準化を目指した。

「媒体ごとのデータの取り出し方などがバラバラだったので、Datorama上でのデータの統合方法、マッピング方法をAPITotalConnectかの2パターンで完結できるようにマッピンッグしました。誰もが触れる環境にすることが一番重要です。極力シンプルに、シンプルに、シンプルにして、今の形になりました。導入直後から半年経過する中で、誰もが使える形に整えていくのがもっとも大切です」と導入から運用まで手掛けた重原氏は指摘する。続けて「媒体ごとにデータが本当に異なるので、それをどう統合するかには頭を悩ませました」と苦笑する。酒井氏は「Total Connectを活用することで、様々なデータを取り込めるため、クライアントも他のデータ統合にもDatoramaを使おうかという話も出ている」と幅広い展開の可能性を話す。

今後の展望は

今回の導入で、Legolissのコンサルティング方法にも変化が出てきたのか伺った。

Legolissも視野が広がりました。BIを使うなら、別途サーバーを立てて、全てのデータをそこに入れて、成形し、そこからさらにBIに繋ぐのが従来でした。が、Datoramaならサーバー不要で、全てのデータを処理・成形し、可視化、レポート化までしてくれるので、ETL不要でスピード感が圧倒的でした。お客様のニーズに短期間で応えられます。今回の経験のおかげで、次回以降は12ヶ月で運用開始が可能になりました」と重原氏。

「弊社が昨年3月に発表したTREASURE DMPDatoramaを活用したマーケティングダッシュボード構築サービスであるCaymaがありますが、今両サービスがシームレスに連携しているので、より提案の幅が広がった感があります。TreasureDMPを軸にプライベートDMPへの期待値は昨年以上に高まっており、一方でダッシュボード化への要求も今年高くなっていますので、LegolissとしてはCaymaを中心にしたコンサルティングに注力していきたい」と酒井氏。

「また、引き続きデータ活用、データドリブンマーケティングに関する啓蒙を続けていきたい」と同氏。なぜなら今回の導入で大切なことが見えたと重原氏が続ける。

「ビジネスユーザーがBIを使うには、ビジネスユーザー自身が、データの全体構造を把握していることが重要です。LegolissDMP設計などの経験があるので、全体を俯瞰して、それぞれのパーツであるデータを統合していく経験を持っていました。その全体設計とデータの在りかを理解していること、それが何よりもビジネスユーザーが使う上で重要です」と同氏。これはサイバーエージェントの事例でお話し頂いた小越氏も指摘しているポイントだ。

「今回の場合では、案件全体を見通している人が不在でした。運用方針を把握し、全体を管理する人がいれば、運用ルールの統一化もスムーズです。一般的にBIツールの導入に、ルールの統一化は必須です」と重原氏。「Datoramaの構造を理解すれば、BIに慣れていなくても、簡単になります。データ全体の構造を理解していれば、統合も簡単です」と酒井氏。そしてなによりも重要なのは「Datoramaを使って何がしたいのか」が明確に見えていることだと酒井・重原両氏は強調する。そうした啓蒙活動をDatoramaユーザー会が発足したらしていただけるか、水を向けたところ「もちろんです!」と嬉しいお返事を頂いた。